決断力という筋肉はAI時代にこそ効く
AIが判断の手前を担う時代-最後に腹をくくる力は誰にも渡せません
責任ある立場で働く方は毎日いくつもの判断を迫られています。
その判断の速さと質がそのまま仕事の成果になります。
その力が思いがけない場所で効き始めました。AIを使う今です。
仕事とはジャッジ(判断)の連続でした
決断力はこれまでの仕事の中で鍛えられてきました。
正確にはジャッジ能力です。
とくに管理者の立場になると毎日がジャッジの連続になります。
院長を務めた9年間がまさにそうでした。
朝から夜まで、判断、判断、判断。
しかも責任ある立場ほど、判断の速さも質もより高いものを求められます。
ジャッジできなければその任を負えません。
これは医療現場に限った話ではありません。
責任ある立場で働く読者のみなさんも、おそらく同じ感覚をお持ちのはずです。
決められる人だけが、その椅子に座り続けられます。
鍛えたジャッジ力が意外な場所で効きました
その獲得したジャッジ能力が役に立っていると感じたのは意外な場所でした。
AIを日常と仕事に取り入れてきた、今です。
正直、想定していませんでした。
長年の現場で磨いた判断力が、最新の道具を使う場面で生きてくる。
この時代の変化と自分が積み上げてきたものがここで噛み合いました。
では現在のAI隆盛の時代にその力はどう反映されているのか。
AIは「判断の手前」までしか進めません
私の使い方はいつも自分の問題提起から始まります。
何を解きたいのか。
ここを言葉にするのは人間の仕事です。
そこからAIがリサーチします。
情報を集め、整理し、選択肢を並べてくれます。
ここまでは驚くほど速い。
ただ選択肢が出そろった瞬間、ジャッジが必要になります。
どれを選ぶか。
そもそもその問いにAIの答えを丸呑みしてよいのか。
質問の内容によっては、この「丸呑みの可否」自体もジャッジが要ります。
AIは判断の手前まで連れていってくれます。
最後の一歩は踏み込みません。
最終判断はどこまでいっても人間です
結局、最終判断は自分です。
どこまでAIが賢くなってもジャッジするのは人間です。
道具が優秀になるほど選択肢は増えます。
増えた選択肢の中から一つを選び、責任を引き受ける。
この部分だけは誰にも何にも渡せません。
そして渡せないからこそ、ここに集中力を注げます。
判断の手前をAIに任せた分、決断そのものに全部のエネルギーを向けられる。
これは医師として雇われていた時代にはありませんでした。
経営側に立って初めて鍛えられた筋肉です。
決めることから逃げられない場所に立って人は決断力を獲得します。
だからAI時代こそジャッジ力を磨く
AIが進むほど人間の仕事は減ると言われます。
私の実感は逆です。
判断の手前が自動化されるほど残った「決める」の重みが増します。
だからAI時代の今こそ、自分のジャッジ力を高めねばなりません。
これまで通り、いやそれ以上に。
問いを立てる力。
選択肢を見極める力。
丸呑みしない力。
最後に腹をくくる力。
これらはAIに代わってもらえません。
あなたが責任ある立場でジャッジを重ねてきたなら、その経験はこの時代の大きな武器です。
磨いてきた判断力を古いものとしてしまわないでください。
いちばん効くのは、これからです。
💡 「独立家」とは何か
医療×経営、組織×個人、伝統×革新——
複数の世界を行き来しながら自分だけの立脚点で
新しい価値を生み出す生き方。
Liberaiz が提唱する造語であり生き方の指針です。
Dr. 加藤|医学博士 × 独立家|株式会社Liberaiz 代表
🌐 liberaiz.co.jp


加藤先生、素晴らしい記事をありがとうございます!「決めることから逃げられない場所に立って獲得した筋肉」という言葉に、深く頷きました。
私自身も病院事務長として、日々「白黒つかない問題」に対するジャッジと責任の連続ですが、AIがどれほど優秀な選択肢を提示してくれても、最後に「この病院にとって、この患者さんにとって何がベストか」と腹をくくるのは人間の仕事ですよね。マネジメントで培った決断力(ジャッジの筋肉)がAI時代の最強の武器になるという先生の視座に、大きな勇気をいただきました!